この前ファミレスに行ったときに知人を呼んで行った。知人は中学生時代の、地元のツレのような雰囲気がある。
そこでドリンクバーを2つ注文し、僕は便所に立った。
何故か、知人が便所までついて来たかと思うと、便所に入るなり、『いやドリンクバーちゃうんかい!ついて来てもうたわ!』と叫び出て行った。便所に入る前に絶対ドリンクバーでは無いと、わかるだろうと思った。
席に戻り、しばらくして僕がオレンジジュースを飲み干すと、知人が『何か入れてきましょか?』と珍しく気を利かせてくれることを言ったのでお願いした。
するとドリンクバーの所から帰って来た知人の手に持たれているドリンクの様子が明らかにおかしい。
知人の眼を見ると、楽しんでやろう感が通常時の3倍以上出ていたので、『これは完全にイタズラしよったな』と思った。
『お前このコーラーなんでカフェモカみたいな泡出てんねん?』
『どこがですか?全然出てませんやん。』
『いや、色もおかしいやん?』
『おかしないですって、飲んで下さいよ』
考え過ぎたのだろうか?取り敢えず飲んでみたのだが、案の定殺人的に不味かった。
『まずっ、お前これやっぱり2つ混ぜたやろ?』
『違います。4つです。』
そういって、知人はケラケラと笑った。大人で、このイタズラをやる奴がいるとは思わなかった。お腹が痛くなったらどうするつもりなのだ。
『今度はちゃんと入れてきます』
しばらくして、知人がそう言った。
『お前イタズラするからええわ』
『もうしませんって』
『ほんまに混ぜんなよ』
『はいコーラーで良いですか?』
『うん』
そして、知人がコーラーを持って来た。
アワのたち方も普通なので恐らく大丈夫だろう。飲んで見ると、だいぶ甘く感じたがさっきのスペシャルドリンクで味覚がおかしくなっただけだろうと思い顔を上げると、知人が再び、楽しんでやろう感を3倍以上出し僕の表情を窺っている。嫌な予感がした。
『コーラーと紅茶混ぜたんですけど美味しいですか?』
『やっぱり混ぜてんねやん!』
知人はケラケラと笑った。隣りのテーブルで勉強していた青年が鬱陶しそうに知人の顔を睨んでいたが、知人は楽しそうにケラケラと笑い続けた。
知人の思考は、まだ中学生だ。