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12.23.2023

喫茶店の窓の外

映画を見にいった時のこと。

チケットを購入し時間を確認すると、上映まで時間があるので映画館側の喫茶店にコーヒーを飲みにいった。

その日は日曜日だからか店内は混んでいた。二人の人に順番を抜かされてようやく席に座れた。

窓際の席だった。結果的に順番を抜かされて良かったと思った。

窓からは色々な風景が見える。お店の人にアイスコーヒーを注文して、カバンから取り出した文庫本を読んで時間を潰そうかと思っていたけれど、窓の外の風景に気を取られてしばらく眺めていた。

停車している空車タクシーの窓を何度もノックしているが気付かれないおじさん。運転手は眠っているのだろうか。周囲にはタクシーらしき車も見当たらないので、ノックおじさんは諦めずにノックを続けていた。

チェーンに繋いだ自分の財布を蹴りながら走る少年。僕は思わず「あっ」と声を出してしまった。少年はカードのようなものをまき散らしながら走っていたのだ。しかし少年はその事態に気付いていない。

すると、偶然通り掛かった老婆がそれを拾い、少年に渡そうと追いかける。だけど老婆と少年では走る早さは違い過ぎていた。二人の距離は開くばかりだ。

そんな彼等の行動に注目していると、そのまま少年は角を曲がり僕の視界から消え、やがて老婆も僕の視界から消えた。

老婆が少年にカードを渡せるのは何年後だろうか。出来ることなら、その時は僕もその場に居合わせたいと思った。

チラシを持っているが誰にも配らない女性もいる。不思議な光景だけど、まぁたまたま配っないだけんかなって思っていたけど、子供から大人まであらゆる世代の男女が彼女の前を通り過ぎて行ったが彼女は誰にもチラシを配っていなかった。この世のものではない何かに配るチラシなのだろうか?

帰る時、僕も彼女の前を通らなければならない。誰にもチラシを配っていないのに、僕が通り過ぎた時にはチラシを配られたらどうしよう。僕はこの世のものなのに。いや、見た目の怪しさからこの世のものとは思われる可能性もあるけれど。

外の景色を眺めながらそんなことを考えていた。

アイスコーヒーの氷も溶けてるし、恐らく二口目までは美味しくないだろうな。

けれど結局全部アイスコーヒーを飲んで、レジでポイントカードを出したのだが店員さんは全く気がつかず、僕のポイントカードは寂しそうに、しばらく机の上にあった。

恥ずかしくなったのでバレないよう、こっそりとポイントカードを財布にしまい、何もなかったように店を出た。

10.24.2023

書いたり消したり/紙コップ

  ・書いたり消したり

この前の夜は明け方まで開いている喫茶店で文章を書いたり消したりしていた。

でも実のところは、そうやって自分で書いたものを読んでいる時間の方が長くて、読んでからも又消したり書いたりするのだけど結局消したり書いたりした後も又読んで更に消したり書いたり読んだりしていた。

こんなことならいっそのこと書かなければ良いのだけど、書くことは予め決まっていて、だから書いて消して読んで書いて読んで消して読んで書いて消して読んでジュース飲んで読んで『あっ、ここさっき読んだわ』と思いながらも同時に『まぁええわ』と思い又読んで書いて消して読んで書いて読んで書いて読んで書いて読んで消してジュース飲んで読んでジュース飲んで読んで書いて消して読んで書いて読んで消して書いて書いて書いて読んで消して店員を気にして読んで抹茶アイス頼んで書いて書いて読んで消して書いて読んで書いて読んで書いて読んで消して読んで抹茶アイス食って読んで書いて書いて読んで書いて読んで読んで書いて消して読んだりしていた。

そんなことを繰り返している内に日付が変わり、『とにかく巨大であれば何でも面白い』というような、一人で長時間ノートと対峙していると必ず訪れるもう何も考えてはいけないという兆候が出始めたので散歩する大義名分が出来たと安心し散歩の支度のため意気揚々とトイレに入りトイレの水を流すと目が覚めるようなエメラルドグリーンの水が流れてきて、

そこに唾を吐くと僕の唾もエメラルドグリーンで、『口からブルーレット出てもうた』と一瞬あせったが、その口から出たブルーレットが流れ切らない内に僕は冷静になり、それが先ほど食べた抹茶アイスのためだと気付いて安心した。

そこからはダラダラと街中を彷徨い、二時間ほどすると明るくなって来たので帰って寝た。

そして朝。起きたら友達からメールが届いていて開くと、『結婚しました』という幸福な内容で嬉しかった。

どのような精神状態だったのか何故か僕はそのメールを読んだあと、とにかく『昨日』と『今日』の軋轢を埋めなくては強く思いCDと本を大量に大量に買い込み破産して、又読んだ。

  ・紙コップ

みんなで集まってテーブルトークなどを長時間しているとノドがかわくので皆で飲む飲み物を用意して貰っています。

それを紙コップに入れて飲むのですが、人数が7人近くいるのでスグにどれが誰の紙コップか解らなくなってしまいます。

いくら慣れ親しんだメンバーとはいえ誰が使ったか解らない紙コップを使うのは嫌です。

だからと言って新しい紙コップを、いくつも使い続けるのは非常にもったいないので僕は自分の使った紙コップに名前を書くようにしています。

そうすれば、紙コップを無駄に使わなくてすみますし、他の人と同じ紙コップを使うこともないからです。

しかし、メンバーの一人はそれを一切無視して、わざわざ僕の名前の書かれた僕の紙コップで思いっきりお茶を飲んでいました。

しかも、『おい、俺の紙コップ使うなよ〜』と僕が言うと、『別にいいやろ』となぜか別のメンバーにキレられました。

ちょっとそのキレたメンバーは僕のことを好きな可能性があります。