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体育/パソコン

  ・体育

僕は、昔から好きなことになると真剣になり過ぎて周囲から冷たい眼差しを向けられることが多かったのです。

中学時代、体育の授業で持久走を行う際、誰もが『寒い寒い』とつぶやきながら、長袖の体操着に手まで隠し腕を組み身体をさすっていた時でさえも、僕だけは皆より五分ほど早く運動場に出てアップを完了させ半袖半パンでスタートラインに立っていました。そんな僕を見て特に女子達は完全にひいていました。

僕は鼻水と涙を流しながら全力で走り自分以外の全ての人を周回遅れにしました。

周りからすれば何が目的なのか全くわからないでしょう。でも走るのは気持ちの良いものです。今でもたまに真夜中の甲州街道、明け方の井の頭通り、夕暮れの街道、十年前通った街道などを全力で疾走することがあります。体力が著しく低下しているのに感覚は早く走れた頃のままなので気を失いそうになります。

  ・群れてくる

パソコンの使い方がよく解らなくて知人に電話したときのこと。

私『なんか日記書いてて4ページ以降、ページがないんやけど、どうしたら良いの?』

知人『エンター、何回も押してみて下さい』

私『あっ、増えた。なんぼでも行ける。20ページくらいまで行けた』

知人『それで大丈夫です。それで、100ページまで行ったら玄関のインターホンが鳴ってオッサンが来ますけど絶対に出ないで下さい』

私『わかった。え〜100ページを越えるとピンポン鳴って、オッサンが・・・』

僕は真面目にメモを取りながら知人の話を聞いていたので、途中まで知人のボケに気付きませんでした。

ボケツッコミの才能のある人なら、すかさず『変なオッサンなんか来るか!』とか「誰が来んねん!』とか『いやオッサン何しに来んねん!』とツッコミ面白い感じにできたことでしょう。知人には申し訳ないことをしました。

電話を切った後は日記に集中しました。いつの間にか朝が来て、そろそろ寝ようかなと思った頃に、ピンポン、とインターホンが鳴りました。ページを見ると100ページです。

オッサンが来たようです。知人には絶対に出てはいけないと言われましたが、気になったので静かに玄関まで行き、のぞき穴から外をのぞくと、『100P』という文字が入ったハチマキを頭に巻いた変なオッサンが、巨大な『エンターキー』を両手に抱え肩で息をしながら立っていました。

ドア一枚を挟み、僕はしばらくオッサンを見ていました。

たまたま通りがかった新聞配達員にオッサンは『巨大なエンターキーを押して下さい』と眼で促しました。新聞配達員がそれを押すと、オッサンは『ありがとうございます』と小さな声でお礼を言い小走りで帰って行きました。

僕がパソコンの前に戻ると、101ページ目が出ていました。巨大なエンターキーを自分で押しても良かったなと思いました。

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